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ロマンチストでラフマニノフショパン好き?と思えばドビュッシーも使うし、印象派が好きなのかと思えばヴィヴァルディやバッハのバロックも使ってるし、モーツアルトベートーヴェンも好きそうだし…本当に脈絡のない「ミステリと言う勿れ」の音楽担当氏。

本日のメインどころで使われていたのは↓
ラフマニノフ「ヴォカリーズ 作品34-14』。元々は声楽曲だけれど、作曲者本人がフィラデルフィア管を指揮している音源が上がっていたのでそれを。作曲者本人の解釈に勝るものはないので。

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この曲が使われているドラマの場面が非常に良かった。
主人公の「僕は貴方しか見ていない」という言葉で我に返る放火犯。それまでのセピア色の色調が現実の色と変わり、荒れた室内が映し出されていく。その場面でこの「ヴォカリーズ」の哀愁を帯びた(二度目の)主旋律が始まる(この映像だと2:53)よう逆算して使い始めている。

虐待していた親を焼き殺して貰ったところで、幸せになれる筈もない。
いまだ誰かの世話になる外はなく、小さい頃から親のないハンデを背負って生きて行かねばならない。しかも親を殺す許可を与えたのは自分…一生苛まれるしかない残された現実。

「悲しい」ではなく「哀しい」、この話の底辺に流れる感情を非常に良く表現していた場面だったと思う。フジテレビもなかなかやるやん。